平成17年4月11日(日)
開山忌
満開の桜花の下,開山忌営まれる。
 
 前庭の桜が開山忌を待つかのように満開となった。寒さで遅れたせいか名実共に「華」が添えられ、例年にないお供えができた。
今年はご開山・傑堂義俊禅師の第513回目の年忌にあたられる。
迎える桜と厚い曇り空を振りかえり眺めつつ、関係ご寺院さま、檀家総代さま方が登られる。咲き誇る桜花が優美ゆえに、皆さん雨足を心配されておられるのだ。

時間通り打ち出された鐘に従い、法要は粛々と執り行なわれる。
 ご存知のとおり傑堂義俊禅師さまは、応永31年(1424年)紀州は熊野で誕生された。当地へのご縁は普済寺を開かれた華蔵義曇禅師さまに師事されたことに始まる。
文安2年(1445年)師より印可をいただき、当山の基となる亀鶴山万蔵院を開創された。時代は、室町幕府が成ったとはいえ世に平穏は未だもどらず、遠江の国でも一揆や争いが絶え間なかった、と記録されている。輪住制を敷いていた普済寺に三度も住持する一方、渥美半島に数ヶ寺を開創するなど布教の足跡を延ばし、渥美町の常光寺にて示寂(逝去)された。

510余年続く遠忌は「法灯(仏の教え)」の流れの中にあり、仏教ではどの寺院でも開山堂をしつらえご開山さまを敬い、感謝申し上げている。というのも、その法系はお釈迦さまより現在の住職につながり、檀信徒の皆さまに結びついていくと考えるからである。