平成18年8月22・23日
「禅スクール」開催   昨年を上回る参加者!

  真夏日が続く中、今年も禅スクールが開催された。曹洞宗第四宗務所(伊藤文元所長)が主催する1泊2日の禅体験であり、夏休みの子供たちを対象に天林寺で開講(小1から中3まで)、昨年を上回る25名(うち女子6名)が参加した。
 勉強に追われ塾通いに忙しい子供たちに、自宅を離れての集団生活は得がたい機会であり、初めての体験であろう行持、作務、写経などほとけさまに親しむ2日間の僧堂暮らしであった。子どもたちにとって落ち着いた環境でのマナーや協調性の実践など、日ごろの学校教育とは違うが、僧侶たちが身近に示すお勤めの作法や知恵を一つ一つ聞き、且つ実践して、「仏教」へ近付き、それなりに実感、理解を重ねていった。
 特に、宗務所長はじめ指導にあたる僧や裏方など、スタッフは生徒の数をはるかに上回り、この企画に対する熱意が感じられる。同時に受講者の累増は「禅スクール」に対する理解と期待の増大を示すものと思われる。

 2日目、昼前の「日中諷経」…昼のお経…の講座と僧堂での中食を覗いてみた。
 鐘の打ち出しから始まり導師入堂も指導僧が役割を分担、本番さながらの運びに子供たちの私語は止み、背筋も伸びてくる。真剣なまなざしに子供たちの可能性が広まる。こちらの姿勢で好奇心が開花するのか?所作の一つ一つに興味を示してくる。瞳はキラキラと輝いていて気持ちがいい。宗務所長の天林寺住職も子供たちと指導僧を交互に見ながら静かに研修を総括しているようだ。 
  坐禅堂に移り中食を頂く。三黙道場の説明がある。昨日からの食事に慣れてきたのか「静かに」ことが運ぶ。驚くことに、本山などの僧堂と同じように応量器が用意され、僧が給仕される。大人でも経験する機会が少ない食事でありよい思い出にもなるであろう。
 指導に当たられた元教師だった僧侶の言葉が印象に残った。
「小1から中学3年生までが一堂にあつまると、言葉での指導や説明は難しいが、坐ること、経を読むこと、鐘などを鳴らす所作などは同時に伝わっていく。中には小学生のほうが早く覚えることもあるんですよ」とのことだ。
 子供のしつけや意思の疎通を「言葉」ばかりに頼っていても効果がない、ということかもしれない。