平成18年11月18日(土)
第12回 仏教に親しむ会
『りんりんと生きる』
講師  酒 井 大 岳 さん

 高崎市から一時間余、吾妻町長徳寺のご住職を務めながら、金子みすゞの研究家、俳人、書家、ネパールに学校病院を建て続けるボランティア、の顔をもち一年の三分の一は社会活動をされる、という。若やぎはつらつとした口調で「りんりんと生きる」とは「さわやかに生きる」との意味合いですと前置きし、話に入られた。

・春風のごとく
・悲風を超える
・縁をはぐくむ
・喜ばれる悦び
・語るより歩む  とお話の要点を記したレジュメに従って進む。卑近なたとえ話や実例を引き合いに出され、平易な言葉を遣い、ユーモアたっぷりで分りやすい。しかも、明瞭な口調は誰もの耳目をとらえ、大きくうなずく頭が波打っていく。


 モノごとを善意にとるか悪意にとるかで人生が大きく変わります。日本人は苦手ですが、
中国では「春風秋霜」・・・人に優しく自分に厳しくとの言葉もあります。春風のごとく人に接しましょう。春風とは「笑顔」のことです。
 誰も悲しいことには出会います。悲風は避けられないつらいことを言います。要はそれを乗り越えることが大事で、時には周囲のやさしい「言葉」によって救われます。
 縁は育むことによって新しい縁が生まれる。私たちは幾多の先人の後に生まれてきた。その縁をさらに大切に育てて、これから生まれてくる人たちへのよい縁を育てましょう。
 相手の喜びは自分の悦びです。相手が喜ぶ姿を見るのは楽しいものです。悦びとは自らが満足する意味であります。
また「語るより歩む」とは、理屈より実行が大切の意味、とネパールでのボランティア活動の一端を披露、自らの体験で話を締めくくられた。
話し終え質問にも誠実に答えられ、深い感動と満足気な聴衆の笑顔を置き土産に会場を去られた。