平成19年2月11日(日)
初午大祭
晴天に恵まれた初午大祭、最高の人出に沸く

  今年も遠方から参加する店が多い。
「墓参の折に花屋さんで聞いて…」と横浜の檀家さん。愛知県の瀬戸からは「お茶のご縁で…」と陶芸の先生がお弟子さんご一行とともに。「娘が始めた店だが今年は私が…」と二代目?を継ごう、とお父さん。そして、常連のお店からの紹介の新しい仲間が加わり、計38店が軒を連ねた。もちろん子供たちのために「バルーンアート」…手作りふうせんのボランティア岡野さん、電気配線協力の「アッド遠州」さんが頼もしく賛助出演してくれている。

笑顔でスタート。快晴だが、風強し
 準備の整った9時45分、ご住職のごあいさつ。「年に一回のお稲荷さんのお祭りです。天気がいいのはお稲荷様のご利益でしょう。皆さん、楽しんで今日をお過ごしください」笑顔を絶やさず、やさしく語る言葉に各店主も笑顔で請けとめている。
 暖かい日差しのせいかお客さまの出足はいい。風さえなければ、眠気さえ催しそうな陽気。ただ、時折の強風にお店のビラが舞い狂う。手で押さえたり、飛んで逃げるのを追っかけたり、なかなか忙しい。
新趣向の「大道芸」と「中国四千年!」
 恒例の田中道夫さんによる「大道芸!」の案内にたちまち子供たちの輪が出来る。その動きを見て、若い親子連れがさらに外側を囲む。第一回目の公演である。
 背中を押され「助手として選ばれた児」が不安げに田中さんと親の顔を半々に見ている。動きがぎこちない。しかし、目の前に起きるトリックと度重なる拍手を浴びるうちに笑み
も生まれ、親を見るより周囲の客を見る余裕が生まれてきた。すっかりアシスタント気取り。やはり、子供の学習力はすごい。
 続く出し物は「中国四千年のふしぎ!」と
銘打った、朱 混紅さんの手品。現地「中国」から持ち込んだ鍋から霧が立つ、と言う秘術?だ。大道芸より更に小さな輪が出来、幾重も太くなっていく。手元をじっと見つめる。朱さんも力が入り、やがて流暢に日本語で解説しだした。どうやら、名前も「朱に交われば赤くなる」とのシャレらしい。やれやれ。
売り切れごめん!の店続出
 天真閣では例年通りお茶席が設けられ、正座が苦手でも気軽に楽しめる立礼席が人気。
 広い待合にはお着物を召した方も多い。華やいだ雰囲気はあたりを引き締め、静寂を呼び、心落ち着ける空気を生む。
「いらっしゃい、新鮮だよ!」の外の賑わいをよそに静けさを愉しみ優雅に茶をいただく。天林寺初午ならではのコラボレーション(合作)だろう。
 昼近くなっても人手が落ちない。例年と違う動きだ。店の人の手が忙しく動く。風もおさまり、商品を包むのに息が弾む。
「売り切れごめん!」と笑って言う店もある。どうやら例年を大きく上回る成果が出たようだ。
 定刻どおり3時より萱垣稲荷荼枳尼真天の法要が始まり、大般若の転読もされた。約30分のご祈祷が終わり、ねんごろにご祈祷を込めた縁起餅が投げられる。
 ワーの大声で最初の餅が空を飛ぶ。「ワー、ワー」に押しつぶされる人もいる。餅が飛ぶ、声が追っかける。宙で手づかみする人もいる。
もち箱が逆さに振られると声が収まる。互いに目で収穫を確かめ合い家路につく。和やかな良い風景だ。
 来年も良い天気になってほしい。