平成19年6月10日(日)
第14回 仏教に親しむ会
『仏に会う』
講師  立 松 和 平 さん
 去る6月10日の日曜日、第14回目の「仏教に親しむ会」が開催されました。多くの皆さんがご参集、有意義な時間をすごされました。

 人生「無常迅速」ですね。
 昨夜来の激しい雷雨がやっと収まったかと思いきや早朝から強い雨。ところが10時半過ぎから暗雲が消え西の空から青空が広がりはじめ、木々も鮮やかな緑色を取り戻してきた。不安定な昨今の気候。
心配していた空から視線を戻すと開場を待つ人たちが列を成し帯になろうとしていた。日傘さえ見える。
 登壇されて守護仏の観音様にていねいに手を合わせられた。栃木なまりの朴訥とした語り口から出てきたのは毛利衛さんらと一緒された南極大陸や昭和基地でのご体験。
 南極も温暖化が見られ、いつもは雪が降るのに雨が降ってペンギンはびっくりしている…。
 南極の氷が解けたら地球の海面が50数メートル高くなる。
 46億年前に誕生した地球には38億年前に生命が誕生、しかも10万年に一度の割で大きな変化がある。
 滅びるものは滅びた結果生き残った子孫が私たち人類である…などと地球の歴史を語られ「万物は流転する。諸行無常がよくわかった」と時間と力の大きなパワーを率直に語り驚きの感想を述べられた。
 母方が曹洞宗の信徒でありますが、と前置きされ10年間に渉る「小説 道元禅師」(曹洞宗機関紙『傘松』掲載)執筆のご苦労と喜びをしみじみと語られた。
 執筆開始の苦しみから、続けていくうちの「私の修行なんだ、喜びとせねば…」の実感、「完成するまで死にたくない」との願う境地に達したこと、そして「近々発行するんです」、と小説家としての自負と喜びを述べられた。
 道元の説く「光、万象を呑む」を最も印象に残る言葉と言い、「布施」「愛語」「利行」「同事」の4つのことばと共に優しく解説、質問にもていねいに答えられ講演を終えられた。