平成20年2月11日(月)
初午大祭
「寒波の谷間」の初午大祭、人の波に楽しくゆれる

 一昨日の寒さには震え上がったが、準備する前日は暖かく静かな日差しに、何か予感めいたものを感じた。
2月11日、朝早くから開店を待つお客さんが店定め?品定めにチラホラと見えられる。
「もう売ってもいいでしょうか?」と小声で聞きに来られたお店も出る始末。今年の楽市は開店が早い!寒波の後の静かな暖かさが人の出を早め、お店を早く空けさせてしまった。
 軒を連ねる店は39店、ボランティアの電気、音響担当の上妻さん(アッド遠州)、大谷さんらがお店運営をフォローしてくれる。
来場者のお目当ての一つは大道芸の田中道夫さん、マジックバルーンの岡野さん。優しく、絶妙の腕を発揮してくれる。加えて今年は軽快なバンド、ザ・ショーエイとハモニカ独奏の岩崎さんも賛助出演してくださった。いずれも天林寺楽市の趣旨を理解し、楽しい盛り上げに多忙な中を割いて駆けつけてくれた。特にショーエイの酒井さんはお茶席スタッフのお役をぬってギター演奏だから、忙しい。
朝が早く、目ざといお客さま!
 暖かい日差しを背に受けて商品を覗き込み二言三言、朝露の乾かぬ新鮮野菜を小脇に抱え込む。さらに視線は傍の手作り品に…。お客さまの出足はいい、が決断も早い。定連さんらしく「変りませんねぇ」なんて言葉が飛び交っている。風も無く眠気さえ催しそうな陽気。お店のビラが風に踊らず、人並みに押されてゆがむだけ…が、例年とはっきり違う。
「大道芸」の新ネタとバルーンの人の列
 子供たちに人気の「大道芸」。今年も案内とともに子供たちの輪が出来る。新たな演目を加えての二回の公演はますます磨きが掛かり、衆目を裏切らない。親子連れをはじめ「にわかアシスタント」の児たちが興奮してくる。演目が替わるたびに「座って、座って!」の声。 もう一つの人だかりはバルーン。こちらは静かに列を作って待っている。親に手をつながれて待つ児、一人でイライラしながら並ぶ子。目だけは岡野さんの手元を離れない。時にパンッと破れる音にビクッと驚きながらも待っている。立ちっぱなしで、昼食1時間遅れの岡野さん、おつかれさま!
静かなる大盛況!のお茶席。
 年々お客様が増えている天真閣でのお茶席。やはり落ち着くわね!と一服召される方も気軽に楽しめる立礼席も待ち人多し?広い待合にはお着物の方も多く華やいだムードいっぱい。時折見る男性の和服姿に若い女性が「アラすてき!」「男らしい…」とつぶやく。
せわしなく移り変わる昨今の風情に流され、○○らしさを忘れられたかと歯がゆかったが、目を輝かせ発した一言に、なぜかホッとした。「古来の良さを再認識」なんて堅いことは申さぬが、心軽くなった天真閣のヒトコマでした。
 昼近くなっても人出は続く。午後になっても、人は出るが風は出ない?幸運!お店は大忙し、品物を包むのにも息が弾む。大声で「売り切れごめん!」、そのあとアハハッと照れ笑う、在庫が少なくなったのだ。どうやら大方の店が例年を上回る成績らしい。
 定刻どおり3時より萱垣稲荷荼枳尼真天の法要が始まり、大般若の転読もされた。ねんごろにご祈祷を込めた縁起餅が投げられる。
 「ワーッワー」にいっせいに立ち上がる。中に押しつぶさた人もいる。すぐ、立ち上がる。餅が飛ぶ、声が追っかける。手が舞う。例年通りこの時間は短く、あっという間に終わり、ため息だけが痕に残る。
 来年も暖かく良い天気になってほしい。