平成20年5月27日(火)
第16回 仏教に親しむ会
『日本人の心のなりたち』
講師  玄 侑 宗 久 さん
 執筆、講演、討論会、そして社会奉仕と八面六臂のご活躍は、各媒体でも報道されご存知の方が多い。もちろんお名前が示すとおり、つい先だって晋山式を済まされ住職に着かれたばかりという超多忙な日程をぬってご来浜いただいた。
一方、会場では数ヶ月前から待ち焦がれ指折り数えて今日の講演を楽しみにされていた方ばかりが早くからお見えになっている。朝から晴れ上がり、木々を渡る風は涼しさを運んできてくれるものの熱気をはらんだ天真閣は、クーラーの冷気も追いつかないほどであった。 
 「最近の日本はおかしな方向に行っている…」と口火を切られた。盲学校、聾学校の当事者を無視したような改称、助教授を准教授と改めた外国かぶれと「助けず、ライバルの存在」とした件、はたまた陪審制度の採用で法廷ばかりでなく一般の人からも裁かれたら、行くところがない…と幅広い見地から例を挙げ、わが国のよき国民性をなし崩す外国志向の行政や世間の風潮を批評、日本本来のよき風習、思考をユーモアたっぷりに披露、解説された。
その話題は宗教界や文学の世界だけに留まらず、幅広く深い教養と見識に裏打ちされ、生き生きとした言語となって飛び出てくる。会場内は圧倒され、ただただ固唾を呑んで次の言葉を待つばかりであった。
 また、特別販売されたサインいりの著書はあっという間に完売となりその人気の高さに改めて驚かされた。