平成20年9月20日
秋の彼岸法要・清興の会
台風一過、秋の彼岸会・墓地整備完了をご報告

 明け方まで大雨が残るでしょう、との台風予測も幸いにも外れ、夜明けと共に抜けるような青空がめぐってきた。少し蒸し暑いが高く澄んだ天空が季節の変りを教えてくれる。秋だなぁ、と腹いっぱい空気を吸ってみたりする。

こころ洗われる
 定刻前、ご詠歌が流れると位牌堂の人も急ぎ本堂に座を占める。鐘の音と共にご住職の泰覚文元大和尚が入堂。先刻より立ち並び待つ、近在の和尚さま方と違い淡黄色の衣が目にまばゆく、荘厳な本堂にひときわ冴える。
 静寂の中、ご本尊、釈迦牟尼仏、両祖大師(道元禅師、瑩山禅師)ご開山さま(傑堂義俊禅師)歴代ご住職、檀信徒諸霊に三拝、献湯菓茶(お蜜湯と菓子、茶をご本尊に捧げる)、ご挨拶し、般若心経を唱える。ご詠歌をはさみ、「彼岸法要に移ります」のご案内に続き、修証義4章・5章を唱える。読経の中、参詣の一人ひとりは廻された香炉に焼香、掌を合わせ祖先に感謝、亡き人を偲ばれた。

お墓参りが、た・の・し・い
 続いては墓地整備完了法要に移りますとのご案内があり、ご住職から完了したことの報告が諸精霊になされ読経、総代はじめ参会者一同が焼香、法要が済まされた。
 後、住職より「長年の念願がやっと叶いました。8年余りの工事中は眠っておられるご先祖、そして檀信徒の皆さまに御迷惑を掛けました」檀家総代の鈴木様からは「多くの人の手と時間を掛けられた墓地整備が完了、お寺様のご尽力に感謝しています。皆さま共々墓参の機会を数ふやしたい」とご挨拶があった。

 また、工事に関わった方への感謝の気持ちが記念品に託され遠州石材店に贈られた。関係者によると、墓地区画不統一と入り組んだ路地の整備は厳寒、酷暑の中でも敢行されたが、思いのほか時間が掛かり、当初予定を越え足掛け9年(総工費約1.6億)に及んだ、とのこと。寺自体の施設整備としては近年最も大きな事業でありました。

お久しぶりの笑三師匠
 続いての清興の会は三笑亭笑三師匠の落語を堪能した。「上から読んでも下から読んでも…」ですが「…山本山とは関係ありません」と笑わせ、十余年ぶりのご無沙汰を忘れさせた。
 やさしい英語で語ったり、往年の名人を思い出させたり、若者の奇妙?な姿を挙げ現代を映し出したり、と大師匠ながら毎日2席も寄席に出ている、水々しい現役の勢いは聞き手をぐんぐん聴きつけ?身体も前かがみにさせてしまった。
 「やっぱナマは違うなぁ!」「江戸前の粋があるね」「笑いすぎて…おなかが痛いワ」とそれぞれの感想は違うが、香立ち込める中、本堂いっぱいに笑いが響いたことは確かな事実でした。
台風(かぜ)それて 笑う声わく 彼岸かな