令和元年6月22日(土)
先代天林寺大園禅覚大和尚二十三回忌営まれる
 去る六月二十二日、天林寺において大本山永平寺西堂、三十一世重興、大安寺七世大園禅覚大和尚思実(二十三回)忌法要が、大本山永平寺貫首福山諦法猊下を拝請して営まれた。危ぶまれた天候であったが、曇空だが風もなく静かな日和であった。

 脇間には十三門首ご寺院の皆様がた、外陣にはご親戚、御詠歌の講の皆さまがたが参列、そしてご縁のある和尚様が座られている。
 十五時の打ち出しとともに送迎、侍香などを従え猊下が入堂、緊張が一気に高まる。八十八歳のご高齢ながら足取りは確かな運びであり、外陣中央に進まれ用意された曲碌に座られる。代理の僧が慣れた動きで焼香を済ませ、献湯菓茶は天林寺方丈が代行する。
 二十三回忌の法要はいつになく緊張感に包まれた雰囲気の中で滞りなく進み、つつがなく終了した。
 すべてを終え南面された猊下は静かに禅覚大和尚の思い出話を披露、過ぎし日に思いをはせたようであった。堂内は貴重なお話を一言も聞き漏らすまいと皆が注目、静寂な空気の中、とつとつと語られる思い出話に聞き入った。
 十三門首のお付き合い。指導的お立場での共鳴。本山永平寺のお役を手伝った頃のこと、などを静かに語られる。また、地域にあっては終生宗派繁栄に努め、当山(天林寺)にとっては、伽藍再建など八面六臂の活躍ぶりを親身に紹介。一呼吸おかれ周囲を見回し、今後も住職を助け檀家の皆様共々お寺を盛り上げていってもらいたい、と結ばれた。
やがて送迎を先にして猊下は静かに退堂された。
 かくして、二十三回忌の法要は無事営まれ、参会者それぞれは胸に思いを込め境内北隅に眠る墓に詣で、散会していった。