令和2年3月17日(火)
コロナ騒ぎの中でのお彼岸
 昨年末以来、地球規模で対応が執られているが、決め手は見つからぬ。目に見えぬ「敵」との戦いに全世界は戦々恐々、各国独自の対応策で臨むが病原体(ウイルス)の姿は不明、従って適切な防衛策も見つからない。我が国でも政府の指揮のもと各地方、業界にて対応策に追われている。ただ、国民はその防護策として要請されている不要不急の外出自粛、帰宅時の手洗い、マスク装着の励行、など日常生活に不便を感じつつも不安な毎日を送っている。会社などでは人の接触を避け通信による会議に切り替えたりしているが、当曹洞宗では大本山に於かれても催事、会議等が中止、延期されている。
 すでに檀信徒の皆様をはじめ、近在ご寺院様、ご詠歌講中様にご案内済であるが、急遽形を改め当山のみの陣容にて彼岸法要をお勤めすることになった。
 ご詠歌も流れず、淡々と進む
 数多くストーブが配置されている本堂。今朝の冷え込みにはありがたい措置。暖冬とは申せ、昨今の著しい寒暖の差に年配の体は対応力が不足しがち。お参りの方は暖房の周りから座っていく。
例年より参加数は少ない、ように思える。
 定刻1時半、本堂の鐘が鳴らされる。いつものように遠方から鉦の音が呼応、送迎を先にして導師が入堂される。続くは侍者、侍香の僧。
鮮やかな緋の衣をまとう導師が焼香される。次に、案内があり、導師にならって和尚さま方以下参会者全員も三拝する。
続いて釈迦牟尼仏、高祖、太祖、ご開山さま方に献湯菓茶を呈し、読経に移り、般若心経を唱和する。
 
「彼岸法要に移ります…」に、一同三拝する
 導師以下、ふたたび一同が三拝、経題が告げられ修証義を唱える。手を合わせ、方丈はじめ和尚様がたの動きに注目する人。目を閉じてじっと聴き入る人、時々うなずく人、中には唱和する人もいる。人さまざまの参列風景である。
 読経の声が本堂に満ちる中、回し香炉が檀信徒ひとり一人に渡される。居ずまいを正し、それぞれ先祖様への謝恩と家内の安全、無事を祈念し、香を焚く…。そして彼岸会法要は終了した。

「終活の準備」の講話
 春の彼岸恒例の「講話」が始まった。
講師は鰹o雲殿の役員で厚労省認定葬祭ディレクターの河合一也さんである。
参会者は分かりやすく書かれた資料を片手に熱心なお話に聴き入った。  
・もしもの時の対応、・今備えられることは?
・家族葬って何?・お葬式の費用は?そして、
・熱心な遠州地方の仏事…その中でも地域によって変わる風習…などなど。興味あるテーマを一挙に話された。地元出身でもあり、自らの事例も分かり易く話され、聴き入る人たちは時間を忘れて聴き入った。
 かくして、新コロナウィルス騒ぎで落ち着かない世間をよそに、彼岸法要は急遽収縮されつつも粛々と営まれた。