令和2年9月19日(土)
秋の彼岸法要
コロナ退散祈祷会も併せて、
        彼岸法要が営まれる。

    
 コロナ禍の中、秋の彼岸が訪れた。巡る四季のありがたさ、自然界は若干のずれはあるものの、確実に季節の色をもたらしてくれる。
 真夏日の下でもコロナ対応でマスク必携を強いられる身には朝夕の涼風やトンボの乱舞が待ち遠しい。9月も中旬近くになりやっと連日の暑さから逃れ「ススキを見ました…」などの言葉を聞くと急にお墓の掃除が気になり始めてきた。
 
 19日の13時30分、正確に殿鐘(本堂の釣り鐘)が鳴らされ和尚さま方が入堂された。本年のご詠歌は自粛され一同三拝の後は、散華(さんげ)をし道場を清めた。散華とは、花の芳香と薫じ清められて水によって道場を清めて仏さまを請来するためである。(…年の初めの般若札祈祷の折にも行われる)

 献湯菓茶を済ませ、般若心経が詠まれ、大般若経の転読、と続き、災難消除の陀羅尼(だらに)が読誦された。世間を翻弄している新型コロナウイルス鎮静への当山挙げての祈祷であり、その意を込めたお札が須弥壇に積まれている。やがて各檀信徒へと送呈される。
 小鐘が鳴らされ、彼岸会のお勤めに移る。例年と変わらぬ数の檀信徒の列席があり、堂内の緊張は高まる。やがて読経の中、参会者は個々に回り香炉を受けご先祖へ供養の合掌をつなぎ続けていった。
 
 法要が終わり、お待ちかねの「清興の会」と続くところが今年は自粛中止となり、やむなく散会となった。

*陀羅尼 …サンスクリットで「ダーラニー」の漢字音写しであるから字面からは意味を理解できない。密教でよく読まれ、禅宗では大(だい)非心(ひしん)陀羅尼や消災(しょうさい)妙(みょう)吉祥(きちじょう)陀羅尼などが詠まれる。
*清興の会…日頃のお疲れをいやす、お楽しみ会。