令和3年7月15日(木)
山門施食会(盂蘭盆会)
コロナ禍のオリ・パラ準備
 一向に収まらない新型コロナ感染に、東京および周辺三県、他に第四波の緊急事態宣言の発令をした。一週間後の五輪は地方を除きほぼ無観客にて開催されると決まり、かつ、パラ五輪は観客ありで開催したいと首相の談話が伝わってきた。一方、ワクチンの接種を終えた人は若干の安心はあるもののそれ以外の人は在庫調整などに振り回されている。五輪を直近にしてのコロナ対応で談論風発、連日TV・新聞紙上はかまびすしい。
 
 昨年同様、檀信徒の皆さまには文書にてお知らせしてあり、問い合わせの電話も少なく、十五日の「寺施餓鬼」は午後一時と三時の二回に分かれ、執り行われた。
 檀家総代をはじめ和尚様方のお世話で、受付を済ませ、お供え物を預け代わりに感染予防の薄いゴム手袋を頂く。戸惑いで一瞬手が止まる方もいるが、「精霊棚の水向け用です」の説明に納得される。
 受付を済ませ本堂に向かう。極力密をなくすようご協力をお願いしてあり、一家庭二名様までのご参詣が守られ、用意された椅子がほぼ埋まる。離された椅子席のせいでもあり、会話も少なめ、本堂内は静かである。数台の扇風機はうなっているものの、精霊棚の笹の葉を泳がせ、燈明の炎を大きく揺るがせて梅雨明けの風が堂内を走る。扇や団扇の出番はないほどの風は有難い。
二回に分けて、ねんごろに営まれる
 導師の文元方丈が入堂。きびきびと焼香、礼拝の後、案内の声が「僧侶にならい檀信徒も掌を合わせ、三拝」。全堂挙げて法要に入る。
般若心経を読み上げ、導師が精霊棚に対面する位置に移り、僧侶達も従う。
「山門施食会」に移り、読経。終わると導師は檀信徒をはじめ諸精霊、大震災の犠牲者への供養を告げる。続いて経をはさみ、個々に新仏の戒名を奉読された。
 経が続く中、新亡家のご家族は精霊棚に向い、水を手向け、ご冥福を祈る。そして、それぞれの想いを胸に席に戻る。コロナ禍とはいえ旅立った人への思慕は計り知れなく、深く重い。
 
 第二回法要は十五時より始まり、椅子を補充するほどの人数が参加された。
夕闇迫る中、山門前にて
 十九時、方丈さまはじめ僧侶が山門前に出座、精霊送りの法要が営まれた。
 時折、おもちゃをせがみ、大人にねだる幼子の声が境内に流れる。人、皆マスク姿で黙々と動く中、なぜかホッと救われる思いがする。それもつかの間、長い陽が落ち、夜のとばりが降りてくる。もう、その頃には法要も無事終了していた。