令和4年7月15日(金)
山門施食会(盂蘭盆会)
銃撃事件、コロナ第七波?…そして盆
 前代未聞の銃撃事件に全国民は衝撃を受け、ニュースは地球を駆け巡った。その間にも新型コロナは感染を広め、直近の13日には急激な増加を示した。対策分科会の尾身会長は「第六波のピークを越えるのは間違いない」と指摘、県下でも2000人を超え、浜松市では過去最高を更新、との報道が走り不安で迎えた盂蘭盆会。
 昨年同様、文書にてお知らせしたように、十五日の「寺施餓鬼」は午後一時と三時の二回に分かれ、執り行われる。三年目ともなると手慣れてくるが、新盆家の皆さまの対応は緊張感に包まれる。檀家総代をはじめ和尚様方のお世話で、受付を済ませ、お供え物を預け、代わりに感染予防の薄いゴム手袋を受け取る。一瞬驚き、戸惑いの質問も出るが、「コロナの予防で…」の言葉が終わらぬうちにご理解、納得されて本堂に向かう。

 本堂では全員椅子に着き、自ずからソーシャルディスタンスの距離をとっている。そのせいか、会話も少なく静かである。聞こえる音は数台の扇風機のうなり音。窓は空いているが精霊棚の笹の葉も揺るがず、燈明の炎も直立している。いつもの突き抜ける涼風も少ない。今年は略礼服姿の男性が多いが、その暑さは如何ばかりかとご同情申し上げる。扇やうちわの動きは見えず、たまに吹く風が一服の清涼剤!である。
   
込み合いを避け、二回に分けて営まれる
 定刻一時、殿鐘が鳴り導師の文元方丈が入堂。きびきびと焼香、礼拝の後、案内の僧が「檀信徒さまも掌を合わせ、三拝!」。全堂挙げて法要に入る。
案内があり、般若心経を読み上げた後、導師が精霊棚に対面する位置に移り、僧侶達も従う。
「山門施食会」に移り、読経。終わると導師は
檀信徒をはじめ諸精霊への供養を告げる。続いて経をはさみ、個々に新仏の戒名を奉読される。
耳をそばだて聞き逃すまいと新亡家の皆さんに緊張が走る。
 読み込みが終わり経の流れる中、檀家総代を最初に新亡家のご家族は精霊棚に向う。水を手向け、ご冥福を祈りつ、霊の里帰りを迎える。告げたい想いは届いたろうか、赤心を胸に元の席に戻る。コロナ禍中ゆえ、旅立った人への思慕には悔いが残るであろうが、それぞれの真心を込めてわが家へお迎えしたいものである。

 第二回目法要は午後三時より始まり、一回目同様、椅子に余裕がないほどのご参加だった。

夕闇迫る中、山門前にて
 十九時、方丈さまはじめ僧侶が山門前に出座、精霊送りの法要が営まれた。
 例年に比べ市民の姿も少ないが、子供相手の夜店も少ない。しかし、集まる人は年中行事の大切な務めとして祈り、短冊を結んでいく。皆マスク姿で黙々と動くが、いつも通りの流れでホッと救われる思いもする。読経が流れる中、曇り空に夜のとばりが降りる。そのテンポは意外に早いが、法要が終わっても人の流れは続いていた。