平成21年11月28日(土)
第19回 仏教に親しむ会
『不良老年のすすめ』
講師  下重 暁子 さん
イスがあるから…
 多くの方が心待ちにされていた講師であり、開演前から席は埋められていた。ご登場されるや「椅子があるということは座っても良いということ…ですね」「でも私、小さいから見えないかも…」と開口一番、会場から笑いを産み出された。しかし、「人生で一番といってもいいほど忙しいんです…」と切り出された口調は聞き覚えのあるNHKの看板アナウンサーに戻られていた。現在、日本ペンクラブ副会長、JKA会長などの要職にありながら、多くの人に感銘を与え続ける著作にいそしまれる日々は、まさに八面六臂のご活躍と言えよう。
「不良」とは自由であること
 お釈迦さまの言葉を引かれ、自ら考え思うように生きましょう!と歳をとると変化する心身の環境をユーモアたっぷりに分析、好きなものを選んでやりましょう、と呼びかけられた。
 その中で、しなければならない義務感のあるモノ=仕事…家庭の中にでもある、人から求められること、と自分自身が夢中になれる好きなことを一つ、マジメに続けましょう!と強調される。さらに「そろそろ死に方を考えても良いでしょう」とご自身のプラン?を披露、さりげない口調ながら人生の大事を示唆された。
 自己を見失わず、体験からの実感と独特の工夫の中で培った行動力は真似できないが、優しく話されたいくつかの中から「ヒントを得た…」、「チャレンジしてみよう!」と共感された人は多い。話にうなずくこうべ(こうべ。)の振幅が深く数多かったこと、さらに帰路、肩を寄せ合いながら小声での感想を多々仄聞し、充分納得させられた。