平成22年6月5日(土)
第20回 仏教に親しむ会
『仏像に会いにいこう』
講師 仏像ナビゲーター 仏像ガール
「見る」でなく「会う」…感じる
  仏像は「見る」や「鑑賞」するのではなく、「会い」に行くのです。見るは一方的ですが、会うは相互に見る…双方向なんですね…会話がうまれます。また絵などの物と違い人間とよく似ているし、生きているように思えて、私はお会いする、と考えるように努め、今はそう思っています…と冒頭述べられる。       

予告された、大好きな父の「死」
 小学生のとき父の余命を知らされ大きなショックを受けるが、ついに中学3年の春、遺体となって帰ってきた。大好きな父でした。自分自身も「死」が怖くなり、故郷に近い鎌倉に出かけお寺めぐりが始まる。何となく落ち着くお寺が好きになり、足が向いてしまうのだった。    
 高校2年の一人旅で京都の三十三間堂の千手観音に出会い、なぜか大きな感動を覚え、涙が止まらず泣き濡れた。そのとき「自分は仏像が好きだ」という事実を自覚、初めての体験でもあり「生き直す」きっかけとなり、さらに仏像を勉強しようと大学に進む。
英文ではやさしい仏像の解説
 外国人や帰国子女が通う学部であったので、かの中宮寺の「半伽思惟像」もHe thinks how to save us と約して説明され、日本語より易しく仏像を理解することが出来た。益々仏像が好きになり、たくさんの人に仏像のよさをアピールするよう「仏像ガール」になって一生を捧げる決意を固めたのが2007年の春であった。

人も仏像も優しい
 仏像に愚痴や願いを聞いてもらうが、よく考えれば「人がいればこそ仏像もある」互いを思いやる、やさしい気持ちが大切と強調され「人が好きになれたのは仏像のお陰」「仏像はやさしい」「自分の好きな仏像に会いに行こう。あなたも優しく成れますよ」とよく通る声で会場の隅々に語りかけ締めくくられた。