平成24年1月11日(水)
大般若会・ご開山拝賀式
 「今日は昨日より良いですね」…数日前から列島を覆う寒波のことである。足早に屋内に入り挨拶の折、声が震えている方も居られる。風は差ほどではないが、足元からの冷気が身体を昇ってくる。本堂も冷えている。
 11時の打ち出しを合図に方丈が入堂される。すでに関係寺院の僧侶方は位置を定め、居住まいを正されている。総代各位も臨席された。
 散華をし本堂を清める。花の香りで悪い鬼神を退け、清い道場に仏さまを招来するため、という。続いて、茶湯を献じ般若心経を唱え大般若転読にうつる。転読とは、経典を最初から読むのではなく各巻を右から左、左から右に翻して全巻を読み上げたことにする。太鼓の音にあわせ、大声でだらに(だらにに)(一種の呪文)を唱えながらの、迫力に満ちた年初めの大切な儀式で「大般若祈祷会」とよばれる。国家安寧、家内安全、災害防止を願い、そして檀家の皆さまにお届けする般若札を祈祷するのである。
 続いて、ご開山・傑堂義俊禅師さまはじめ代々のご住職さま方、檀信徒のご先祖さまに新年のご挨拶を申し上げる「ご開山新年拝賀式」が営まれた。読経の続く中、総代さま方も焼香された。
 二つの法要を終え、僧侶各位は方丈を囲むようにして「おめでとうございます」と一声、新年の挨拶をされ、静かに退堂された。