平成24年2月11日(土)
初午大祭
「初午大祭」大にぎわい!

 年明け後、予想外の寒波が列島を覆い、氷点下の朝が度々おとづれる。寒気団は西高東低の天気図を描き、当地を冷蔵庫…いや、気分は冷凍庫…に閉じ込めているかのようだ。しかし、初午大祭に最も避けたいのは雨。気になる週間予報だが幸い土・日に降雨の心配はなくなった。

空の青さが心を晴れやかにする…
 予報どおりの展開?で、久しぶりの快晴が広がる。7時前から熱心な店作りがはじまり時間の経過と共に境内は混雑、互いの資材を運び入れる車のやりくりが大変な状況となる。
「ちょっとずらして…」「はい、はぁい」なんて明るくやり取りしながら準備は進む。やがて、テントも張られていく。スピーカーも設置、バンドの調音やハモニカのリハーサルの音も流れ出す。
今年の参加店は38店、直前に3店が急遽欠席した。いずれも寒さによる体調不良などである。

出足の早いお客さま…
 1,2の店を除いて9時半にはほぼ準備も整った。いつもより手間をかけた準備を経て10時過ぎに方丈のご挨拶が始まり、「開店!開店!」となる。
 今年の新参加は3店。昨年から参加希望を事務局に伝えていた雄踏町の「新八木すし」さん。数年前、参加されたが今回は新装再開の「いもづるねっと」さん。移動珈琲の店「街角珈琲」さんである。初参加ゆえに朝早くから準備に忙しい。9時を過ぎる頃からお客さんらしい方々が店の周囲を遠く近く囲むようになる。準備の手を休めず値段説明をする店もある。寒さにめげず、新鮮、お値打ち、を求める人は早起き、元気…である。

「皆さんお楽しみください」とご挨拶
 10時きっかりの方丈のご挨拶。にこやかな面持ちで、天候に恵まれたことを感謝し、売り手も買い手も楽しくお過ごしください…、と呼びかける。
 今や遅しと財布片手の客は品物を確保、店の前を動かない。もうマイクの声が届かない。売り手買い手がそれぞれに大声を上げ、通じなければ指でさし、手を振りかざして品を目指す。活気付くというのか、境内いっぱい人が動き出している。
 やおら、優しくやわらかい音色が流れてくる。一番バッターのハモニカ演奏が始まったのだ。奏者の岩崎、藤谷さんは今年も寒い中、石のステージに立ってくれている。その白い息が意気込みを語っている。 

大忙しの宗流お茶席
 広い控え室に多くの人がいる。お茶席の待ち人である。2席が用意されているが引きも切らずの盛況ぶりで師匠はてんてこ舞い。額にうっすらと汗が光って見えた。
 開け放たれた扉から歓声がもれ伝わるが、ひときわ大きな子供の声…。
どうやら大道芸の始まりだ。しかし、表の喧騒もものかは席は粛々と営まれていく。ところが控え室の子供たちは気になるのか、入れ替わりに表を覗きに来る。誰もとがめず、非難もない。園児も参じる「天林茶席」の特徴かもしれない。
新作はウラシマ。大人も大好き、風船芸。
 おなじみ大道芸の田中道夫さんの新作?は浦島太郎。子供たちの輪に囲まれ大奮闘。益々磨きがかかった芸はユーモアに満ち人気の的だ。
一方でかじかむ手先を技術でカバーしてリクエストに応えているのがバルーンアートの岡野さん。じっと手元を見つめつつ出来上がるまで動かない子供たち。出来上がって親元に駆け寄る笑顔がすばらしい。中には風船が大事すぎて足はお留守、すってんころりん泣き出す児もいる。
 今年のトピックスは、あかるく若い女性が腰、頭、顔に風船をつけ、ファッションショーもどきで境内を闊歩したこと。同伴の男性の見守る中、若干のテレを隠さず歩き出した。あっけに取られる周囲から拍手が起きると、さらに女性の表情が生き生きしだした。仕掛けたのは岡野さん。客を浮かれ躍らす、正に遊びの演出者でもあった。
聴かせるバンド…『春がいっぱい』
 袴にスキンヘッドの酒井章英さん率いる新生『春がいっぱい』が登場。メンバーはウクレレ山本、ベース高見、ドラム酒井さん。
ハーモニーよろしく・(・モ)・・・(・・・ー)の曲を聞かせてくれる。ざわめいた境内も曲が流れると一瞬静寂さが生まれる。初めて聴く人が腕定めをするのであろうか…。
仕事の邪魔をしない演奏は人を心地よくさせてくれるし、「虜」になる人もでる。今年も手を休めて聴く姿を随所に見かけた。人は本能的に耳に心地よい音を好む性向があるのだろう…。

何が当たっても楽しい…「福引き」
 本堂右手には檀家や近在の皆さんが楽しむ福引きコーナーが陣取る。お世話人さんがこまめに対応、抽選が展開される。
 この福引が「年の替わりの『運』だめし、昔の知り合いに合うのも楽しみよ!」とニッコリ笑う老婦人に会った。盛りだくさんの景品よりもっと大きな「福」を感じ、持ち帰っているに違いない。
 
 一方、ご祈祷後の投げもちは例年通り活況を呈した。あっという間の時間であるが声を張り上げ、思い切って体を伸ばしつかむ餅。声を張り上げ「こっち、こっち」と招く。「つい、声の大きい方を見てしまうんですよね」とは優しい和尚さんの本音。やはり古今東西、声大なるは勢いの証、であろうか。
 今年もボランティアの皆さん、大変ご苦労さまでした。開設準備、電気・音響担当、お食事接待、等々のご協力に心から御礼申し上げます。