平成25年2月11日(月)
晴天に、人、引きも切らず…。初午大祭にぎわい
「初午大祭」大にぎわい!
 例年にない寒波に見舞われている日本列島はさしずめ冷蔵庫の中…と、寒さに弱い遠州人。一方では「風さえなければねぇ」と空っ風をうらんだりするのも当地人。当然、外出は遠慮がちになる。
ところが催事となると、ことは違って雨以外は活発に出かけ行動する。遠州人は祭り好き?

氷雨もやみ、晴れて稲荷楽市 「いらっしゃい!」
 週間予報は「はれ」と告げられているが、その朝を迎えるまでは心配である。
 案の定、北の空はどんより鉛色。あられなのか、氷雨となって準備の手に降りかかる。天を仰ぎ、大丈夫かなぁ?の言葉があちこちで起きる。
野菜、小物雑貨、おもちゃ、お茶、ファーストフード、テイクアウト店、などなど。それぞれが店造りを急ぐ。テントもあちこち張られている。電源が通じテストする店主、つり銭の確認をする人、値札の位置を確かめる女性…やがて、開始15分前の知らせが入り、緊張感も高まる。
 住職の伊藤文元方丈が10時少し前に挨拶をされ、楽市はいよいよ開幕となった。

トップは ハーモニカ、続いて 大道芸

 手足にもつらい寒気の中、出し物の一番手を勤めるのは「クロマチックハーモニカ」の岩崎武夫、藤谷 弘のコンビ。こわばる指先や唇を動かし柔軟体操?に躍起、午前のステージは師匠の古橋先生がお見えになる、との事で今までにない緊張をしているようだ。
 約30分のステージが終わり、おなじみ田中道夫さんによる「大道芸」。会社勤めを終えた数年前より年々小道具や衣装に手が込み、華やかに成ってきている。その分、観客は敏感。受けは明瞭、双方の感動も大きい。幼児からの子供から大人まで、一挙手一投足に目は釘付けである。また、必ず新しい出し物が飛び出し見る人をあきさせない。そのご努力に頭が下がるし、楽市のステージに掛ける熱意には感謝の言葉しか発し得ない。

バンド「春いっぱい」 年に一度の大熱演

 階段脇の柱を巻くようにカルテットが位置を占める。狭く互いの顔も見えず、呼吸が合わせ難いと思うが、さすがベテランたち、巧みに陣取りリズムを刻んでいく。ウクレレ山本博詩、ベース高見啓史、ドラム川嶋隆宏さん、マスターはギターの酒井章英さんである。一年に一度、本日だけの編成で「春いっぱい」がバンド名。近づく季節を先取りしての明るく軽やかな曲も交え、寒風に負けぬ熱演に大きな拍手が沸きあがっていた。
 風当たりは強いが目立つ場所だから…とお願いしているバルーン作りの岡野久夫さん、いつもの石灯籠の脇が定位置。今年も新作を忍ばせてのご登場。午前も午後も子供たちに囲まれている…食事時間は有るのか知らん…と心配になる。相変わらぬ優しさが子供に伝わり、若いお母さん方の笑顔まで誘い込んでいく。

お茶席は大繁盛…天真閣には「はな、花、華」

 2席用意された宗?流のお茶席。控えの間にも多くの人が今や遅しと待っている。立礼では師匠が脇でお手前を指導することもあり、正客はじめ相客共ども、座がもたらす緊張感を楽しむ和やかさが感じられた。大変なのは半東以下の裏方たち、うっすらと額に汗をかきながらそれぞれの任を果たしている。男女とも和装であるゆえ衣擦れの音が重なり、裾模様が舞ってあたかも花が咲いたかのような華やかさ。
 表は「春いっぱい」の演奏、天真閣には静粛な「華いっぱい」の世界があった。

ありがたい ご祈祷を受けた、「投げもち」

 3時からは稲荷堂にて祈祷会。陀羅尼が唱えられ萱垣稲荷荼枳尼真天に祈りをささげ、家内安全、他のお願いをした。読経が終わると共に、供えられていた紅白の餅が若き僧侶たちによって本堂に運ばれ、縁側より待ちかねた善男善女に投げ餅としてふるまわれた。
 晴天の初午大祭、終日境内は笑顔が満ち溢れた。