平成26年9月20日(土)
秋の彼岸法要・清興の会
親しく集い、口元ゆるむ
童謡、歌曲、カンツォーネ

 ――清興の会で大合唱――
    
 嫌気がするほどの暑さも遠のき秋の気配を感じる昨今、寒暖の差が激しく、晴雨の予測もつかず外出時は油断ならない。ところが「暑さ寒さも…」の彼岸入りの20日は傘いらずの曇天日。
  
思いを伝え、祈る…
 墓参りを終え、位牌堂でご先祖様に挨拶されて本堂で待つ方も1時頃からあちこちに見える。
 本堂に吊るしてある鐘が定刻に鳴らされ、近在の和尚さま方が入堂、対面し直立されて待つ。緋の衣をまとう方丈が入堂、衣擦れが大きく響く。白い払子を手にされつつ焼香される。次に案内があり、僧侶に倣い一同も従い三拝する。
 ご本尊、釈迦牟尼仏、両祖大師(道元禅師、瑩山禅師)ご開山さま(傑堂義俊禅師)歴代ご住職、檀信徒諸霊に三拝九拝。続いて般若心経が読まれる。
 ご詠歌をはさみ、「彼岸法要に移ります」のご案内に続き、修証義が唱えられる。読経の中、一人ひとりに香炉が廻されその場で焼香する。低い椅子から拝む人、椅子から降り、ぎこちなげに正座し直す人、何度も頭を垂れ静かに掌を合わせる人…、それぞれが香を手向け祖先を偲ぶ。それぞれの静かな「祈り」が見られた。
優しい口調、澄んだ声…に魅了される
 ご先祖公認?のお楽しみ…「清興の会」が始まった。 
 藤沢市から真木千重子さんをお招きしての「みんなで歌いましょう」の雰囲気たっぷりの集い、ピアノが用意され伴奏は市内富塚の高山香織さんが勤められる。
 お二人とも派手やかな装いでなく、品位ある親しみ易いお人柄と見受けられ、名実ともにごく近いステージである。さらに、真木さんの素朴で優しい語り口が皆を惹き付け、美しく澄んだ第一声でたちまち「とりこ」になった。

美しく響き、心にしみる…
 童謡から歌曲、流行歌、カンツォーネ…と易しい紹介に続き、ピアノに乗って躍り出る歌声は美しく、ごく自然に人の耳に届く。無理に作られた声というのでなく、力まず穏やかに心まで響き伝わり「歌詞」も理解し易く、明快に受けいれられる。時に合唱したり、皆の知る童謡には手振りをつけ和ませたり、と肩のこらない進行に時間のたつのも忘れさせる。  
 やがてリクエストに応え、♪うるわしき南の国…と力強い高音が堂宇に響きわたり聴く人は息を呑む。小柄の体から発せられるとは思えぬ迫力に会場はどよめく。
 「ブラボー!」の女声も掛かりアンコールも叫ばれたが、真木さんが来浜の車中で見たという『富士のやま』を全員で斉唱、幕は閉じられた。
月に一度「みんなで歌いましょう!」
 後ろ髪引かれ、惜しむ声に朗報が告げられた。月に一回、真木先生が来訪、『みんなで歌いましょう』の会が開催されているという。皆で歌い、先生の歌も聞かせてもらえる集い(500円)で歌集(1000円)もある。開催は毎月最後の金曜日13時30分、於:天真閣。その他、詳細はお寺にお問い合わせください。