平成28年1月11日(月)
大般若会・新年拝賀式
 例年に比べ寒さはゆるやかで、新年の挨拶の後にも「ありがたい正月ですなぁ」などと、にこやかに付け加わる。西風をまともに受ける天林寺山も珍しく穏やかな日差しを受けて静かなたたずまいに包まれている。
 11時打ち出しを前にして各寺院さま方は控えの間にて衣を改め、本堂に赴き直立して待つ。総代さま方も座って待つ。殿鐘(本堂西隅の鐘)が鳴らされ、法要の開始が告げられる。鐘に呼応して遠くの鉦が続き導師の文元方丈が出座される。
 導師は線香をもち一礼、香を焚いて一礼する。続いて鉦の音に従い、導師に合わせて大衆…だいしゅ=一般僧侶)が五体投地の礼拝を三遍くりかえす、総代もならって拝する。
 次に新年ならではの「散華」…道場を清める…の後、献湯菓茶…お蜜湯とお菓子と茶をご本尊仏に捧げる…を終えた後、三拝。経題が読まれ大衆も般若心経を唱える。やがて早い調子で「大般若経」の転読がなされ経本が扇状に舞う。すべて読み終えた、その後、また読経へと移る。
 須弥壇には般若札がうず高く積まれている。本年の檀信徒家の平安、無事を祈祷し、札に籠めるためである。
 ご祈祷会に続き、新たに献茶湯がなされ、ご開山・傑堂義俊禅師さまへのご挨拶「新年拝賀式」が営まれる。参同契、宝鏡三昧のお経が唱えられ、檀信徒さまを代表して総代さまが焼香された。その意図するところは、ご開山さまへの感謝と、自らの精進を誓うところにある。
 粛々とすべてを終え、座をあらためて方丈さまより、ひとこと新年のご挨拶があり、天林寺の一年が動き始めた。